歯周病について


歯周病の直接の原因は歯垢、つまりバイオフィルムです。歯と歯肉の境目には歯肉溝(しにくこう)とよばれる浅い溝があり、そこにたまった歯垢中の細菌が歯周病の原因になります。バイオフィルムとは微生物の集合体のことです。数種の細菌がコミュニティーを作って増殖した膜状のもので、細菌が外的要因(薬剤、体内の免疫反応、口腔内の環境変化など)から身を守るために作ります。台所や風呂場の排水口や川底の石にヌルヌルとした膜ができることもありますが、あれがバイオフィルムです。
また、口腔内の細菌のかたまりである歯垢(プラーク)もバイオフィルムのひとつです。

バイオフィルムには以下の特徴があります。

  • 細菌が塊を形成しバリアとなるため、薬剤や体内の免疫系が作用しにくい
  • 対象物にこびりついているので除去が困難(ブラッシングが必要)
  • 内部で作られた病原因子や毒素が局所に滞留して疾患(歯周病)を誘発する


「バイオフィルムが分厚くなっていくと空気から遮断されやすくなり、菌にとって、ますます好都合な環境ができてしまいます。十分に成熟したバイオフィルムでは病原性のある菌の繁殖が報告されており、特に免疫機能が低下した高齢の人などにとっては、誤嚥性肺炎をはじめとする全身疾患のリスクとなるため、バイオフィルムを日々、取り除くことが大切です」

歯周病のメインテナンスとは、持続的なバイオフィルムの破壊と除去を行って、口腔の健康を維持させ、病気の再発防止を目的としています。

歯周ポケット内の歯周病菌は、メインテナンスした後、12~16週で、もとの細菌量・細菌叢に戻る傾向があります。

つまり、12~16週で、また歯周病などが発症するということです。

細菌量が増えて悪影響を起こす前に、プロフェッショナルバイオフィルムコントロールを行って、歯周病の再発や発症を予防してみませんか。

メインテナンス・プログラムに従ってリコールが指定されます。

この間隔は、基本的に3ヶ月とされていますが、再評価やあなた自身のプラークコントロールの程度によって、短くなったり、延ばされたりします。

リコールは、必ず守ってください。

もし、リコールでのメインテナンスを定期的に行わないと、確実に歯周病は進行してしまいます。

たちの医院の価値観は、「来院される方が生涯自分の歯を失うことなく明るく楽しく過ごしていただくこと。」です。つまり歯科予防を何よりも大切に考えています。そのために、しっかりした検査診断が必要であり、何よりも患者さん自身が予防に参加していただくことが重要です。